「採用サイトの費用っていくらが妥当?」「見積もりの内訳はどう読む?」——そんな疑問をスッキリ解消するために、費用内訳・相場レンジ・納期目安・発注チェックリストまでを一気通貫でまとめました。テンプレ案件ではなく、応募が来る“実戦仕様”を前提にしています。
費用内訳(何にお金がかかる?)
見積もりは大きく下記の工程に分かれます。各項目の有無と粒度で総額が上下します。
- 戦略・要件定義:採用ターゲットの言語化、KPI設計、サイト構成案(ワイヤー)
- 原稿作成・撮影:コピーライティング、社員インタビュー、1日の流れ、写真・動画・VR
- デザイン:トップ・下層テンプレ・コンポーネント(FAQ/数字で見る/募集要項など)
- 実装・CMS:WordPressテーマ/カスタム投稿/JobPosting構造化データ/フォーム
- 計測・SEO:GA4/コンバージョン設計、スキーマ、サイト速度・モバイル最適化
- テスト・移行:品質保証(表示/リンク/フォーム/速度)、本番反映、運用レクチャー
- 保守:更新代行、脆弱性対応、軽微改修(毎月の運用枠)
相場レンジ(ボリューム別の目安)
あくまで一般的なレンジです。撮影や動画の有無、CMSの柔軟性、ページ点数、特殊機能で変動します。
ライト(小規模)60〜120万円
- ページ構成:トップ+下層3〜5ページ(職種1種・FAQ・会社情報など)
- 原稿:既存素材ベースで編集(新規取材なし or 最小限)
- CMS:基本実装、応募フォーム(簡易)、GA4設置
- 納期:4〜6週間
スタンダード(中規模)150〜300万円
- ページ構成:トップ+下層8〜15ページ(職種2〜3種、社員インタビュー3名、数字で見る等)
- 原稿/撮影:ライティング+半日〜1日の写真撮影
- CMS:カスタム投稿(募集要項/インタビュー)、JobPosting、速度最適化
- 納期:8〜12週間
アドバンス(大型/多職種)300〜600万円〜
- ページ構成:20ページ以上、職種多数、LP複数、英語対応など
- 原稿/撮影:複数日の撮影、インタビュー動画、1日の流れ動画
- 機能:ATS/LINE連携、エリア/職種検索、VR埋め込み、速度・アクセシビリティAA
- 納期:12〜20週間
オプション費用の目安
- コピーライティング:3〜10万円/ページ(取材なし〜あり)
- 社員インタビュー(記事):5〜15万円/本(撮影別)
- 写真撮影:10〜25万円/半日、20〜40万円/1日(レタッチ含む)
- 動画(インタビュー/1日の流れ):15〜80万円/本(尺・カット数で変動)
- VR/360°:30〜150万円(撮影+編集+埋め込み)
- JobPosting実装・運用:5〜20万円(複数職種の運用設計は別途)
- 多言語化:5〜15万円/ページ(翻訳別)
- 保守運用:1.5〜5万円/月(更新頻度/セキュリティ/軽微改修の範囲次第)
納期の考え方(間延び回避のコツ)
遅延の8割は「原稿・素材待ち」と「意思決定のボトルネック」です。下記で体制を固めるとスムーズです。
- 承認フローを明文化(現場→広報→役員など段数とSLAs)
- 撮影日を初期段階で確定(延期は全工程に波及)
- “1日の流れ”や“数字で見る”の必要データをキックオフで集めきる
見積もりの読み方(チェック観点)
- 「制作一式」だけの見積りはNG:工程別・成果物別にブレイクダウンされているか
- 修正回数:デザイン/コーディング各ラウンドの回数と超過ルール
- 権利関係:デザイン/写真/フォント/素材の利用範囲・帰属
- フォーム/計測:CV計測(GA4)やJobPostingが含まれるか
- 速度・モバイル:Core Web Vitals目標(LCP2.5秒以下など)が記載されているか
- 保守:リリース後の対応範囲、脆弱性対応、SLA
制作会社の選び方Q&A
Q1. 一番安い会社に頼んでも大丈夫?
安価なテンプレ案件は「原稿は御社用意」「撮影なし」「修正1回」「速度/計測なし」などの条件が付きがち。応募が来る品質を担保するには、最低限の取材・撮影・計測は必要です。総額だけでなく“何をやってくれるか”で比較を。
Q2. 実績はどう見ればいい?
「見た目」より「求職者導線」と「正直な情報設計(大変さ×対処法)」「スマホでの読みやすさ」。さらに、インタビューや“数字で見る”が継続更新されているか(運用性)も評価ポイントです。
Q3. どの契約形態が安心?
- 固定費(請負):要件が明確なら適合。スコープ外は追加見積もり。
- 準委任(月次工数):要件が動きやすい案件向け。進行管理が鍵。
- 成果報酬:採用は外部要因が多くリスク配分が難しいため、基本は固定費+明確KPIが無難。
Q4. 自社で更新できるようにしたい
WordPressのカスタム投稿で「募集要項」「インタビュー」「FAQ」「数字で見る」を分け、管理画面に“入力欄”を用意すれば運用しやすくなります。構造化データ(JobPosting/Article)もメタフィールドから吐き出せる設計が◎。
発注チェックリスト(保存版)
- 目的/KPI:応募率、フォーム到達率、面接化率、90日定着率のターゲット設定は明確か
- 情報設計:トップ→職種→人→数字→FAQ→応募の導線が設計されているか
- 原稿/撮影:誰が作る?撮影点数・動画尺・字幕有無・納品形態
- フォーム:必須3項目+電話/LINEの代替導線、スパム対策、サンクスメール
- 速度/モバイル:LCP/CLS/INPの目標値、画像最適化、フォント/JS最適化
- 計測:GA4イベント(送信・tel・LINE・スクロール)と媒体別レポート
- SEO/スキーマ:JobPosting、FAQPage、Breadcrumb、サイトマップ/robots
- アクセシビリティ:色コントラスト、代替テキスト、キーボード操作
- 権利/セキュリティ:著作権・肖像権・フォントライセンス、更新/脆弱性対応
- スケジュール/体制:承認フロー、週次MTG、遅延ルール、検収条件
よくある落とし穴(避けるコツ)
- 落とし穴:「求人媒体に載せるからサイトは簡易でOK」→ 回避:媒体×自社サイトの連携(しごと検索/JobPosting)で母集団の質を上げる
- 落とし穴:写真がストック素材のみ → 回避:最低半日でも実写を入れる(“人の顔”が応募率を左右)
- 落とし穴:フォームが長い → 回避:必須3項目+電話/LINE併記、履歴書は面接確定後でOK
- 落とし穴:速度ノータッチ → 回避:ファーストビュー最適化とモバイル実機テストは必須
まとめ:相場より「何が含まれるか」で判断を
同じ200万円の見積もりでも、中身(戦略・取材・撮影・実装・計測・速度・保守)が違えば成果はまったく別物です。見積書は“工程別の内訳”で比較し、KPIに直結する「原稿/撮影」「導線/フォーム」「計測/速度」の3点が入っているかを必ず確認しましょう。
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