「求人の費用はどれくらい?」「成功報酬型って何が“成功”なの?」――媒体ごとに課金ポイント(応募/面接/採用/クリック)が違い、比較しづらいのが実情です。本稿は成功報酬型の仕組み・相場感・固定掲載との違いを1本で俯瞰し、中小企業がムダ打ちせずに採用人数を確保するための設計指針をまとめました。
成功報酬型とは(定義とメリデメ)
成功報酬型は「結果に応じて支払う課金方式」の総称です。求人領域では主に次の3タイプに分かれます。
- 採用課金:入社決定(内定/入社)で費用発生(例:人材紹介、ダイレクト型の一部)
- 応募課金:応募1件につき費用(媒体・領域により審査基準あり)
- クリック課金:求人のクリックごとに費用(広告に近いモデル)
固定掲載(期間課金)と比べたメリットは「無駄打ちを抑えやすい」「繁忙期だけ強化できる」こと。デメリットは「単価が読みにくい」「選考体制が弱いと費用だけ膨らむ」ことです。よって、CVR(応募→面接→採用)の歩留まり管理が肝になります。
主要媒体・手法のモデル比較(2025年時点)
媒体は料金改定が頻繁です。一次情報(公式)を中心に、課金ポイントの違いを押さえましょう。
ダイレクトリクルーティング系(スカウト/成功報酬)
- BizReach(ビズリーチ):ハイクラス向けスカウト。企業向け料金案内ページあり(成功報酬型を明示、詳細は問い合わせ)。
出典:ビズリーチ 料金(企業様向け) - AMBI(エン・ジャパン):20代ハイキャリア層向け。初期・月額無料の成功報酬型を明示。
出典:AMBI 料金 - Green(IT・Web職種):成功報酬プランを含む複数プラン(資料請求/相談ベース)。
参考:公式「料金プラン」ページ(資料DL/問い合わせ導線)。
出典:Green 企業向け
人材紹介(エージェント)※典型的な採用課金
- リクルートエージェント:成功報酬型(入社時)。職種や年収でパーセンテージ設定。
出典:紹介手数料の考え方(リクルートエージェント) - doda、マイナビエージェント、パソナキャリア等も同様に採用時課金(成功報酬)。細則は各社規約に準拠。
クリック課金(広告に近い運用。応募課金と誤解しやすい)
- Indeed(インディード)/ Indeed PLUS:クリック課金型。予算上限設定が可能。
参考:クリック課金を解説する運用ガイド(最新の製品名:Indeed PLUS)。
出典:Indeed PLUSのクリック単価や予算設定 - 求人ボックス(カカクコム):掲載無料+有料オプションはクリック課金。1クリック単価のレンジあり。
出典:求人ボックスの掲載費用(主婦JOB Biz 記事)
固定掲載(期間課金)+オプション型
- マイナビ転職 / doda / エン転職など:基本は期間課金(原稿枠×期間)。職種・エリアで金額差。オプション(スカウト/ダイレクト配信)や一部成果課金施策あり(媒体/時期により異なる)。
注意:「応募課金」をうたう施策は媒体やプログラムによって審査条件(電話不通/重複/いたずら除外など)が異なります。実トラブルを減らすには、“何をもって課金対象の応募とみなすか”の定義と返金/無効化条件を事前に確認してください。
相場感:何に対して“払う”のかで大きく変わる
概算の考え方だけ押さえておきます(具体金額は媒体・時期で変動)。
- 採用課金(紹介・一部ダイレクト):年収×成功報酬率(目安20–35%台が多い。ハイクラスほど高率)。
例)年収400万円×30%=120万円/人 - 応募課金:1応募◯円×応募数。実質CPO(Cost per Application)。歩留まりが低いと割高。
- クリック課金:1クリック◯円×クリック数。原稿品質×導線(LPO)次第で応募単価が大きく上下。
- 固定掲載:期間◯週間で◯万円+オプション。急募×限定職種では効くが、慢性採用には不向きな場面も。
結論:中小企業は“並走設計”が最もコスパが良い
最短で人を入れたいとき、単一媒体に依存すると費用とリスクが跳ねます。おすすめは次の並走設計です。
- 直応募の受け皿=自社採用サイト(JobPosting構造化・GA4・高速化・スマホ最適)
- 母集団形成=媒体のミックス(職種に応じてクリック/応募/採用課金を使い分け)
- ダイレクト併用(ハイレイヤー/専門職=BizReach/AMBI、IT職種=Green等)
このときカギになるのは、費用の“単価”ではなく歩留まりです。媒体×職種ごとに「クリック→応募→面接→採用」の遷移を可視化し、週次で応募単価(CPO)と採用単価(CPA)を見ます。媒体の予算配分・停止判断は数字で自動化しましょう。
KPIと計測(最短の実務テンプレ)
- 計測の設計:form_view → form_start → generate_lead(GA4推奨イベント)
- クリック:tel/LINE/外部応募のイベント区別(GTM)
- 媒体別集計:session_source/mediumとlink_domainを掛け合わせた探索レポ
これにより、媒体Aはクリックは多いが応募率が低い=原稿/導線の問題など、具体施策まで落ちます(詳細実装は当サイトのGA4記事へ内部リンク)。
よくある質問(FAQ)
Q. 成功報酬型とクリック課金、どっちが得?
職種と採用力で変わります。選考体制が強いならクリック課金で母集団を安く作れます。経験者を少人数で効率よくなら成功報酬型(採用課金/ダイレクト)が適。併用し、週次でCPO/CPAの悪いチャネルを止めるのが王道です。
Q. 応募課金で“無効応募”が多い…
媒体ごとに無効判定の条件が違います。SLA(電話不通・重複・いたずら等)の取り決めを確認し、オペレーション側で即日折り返しと基準に沿った無効申請を回しましょう。
Q. 採用単価を下げる近道は?
原稿の質(仕事内容の具体/大変さと対処/顔写真)と導線(スマホ、LCP/INP、最短CTA)です。媒体を変えるより先に、採用サイトの改善とJobPostingでの露出最大化を行うと効率が上がります。
参考(一次情報)
- ビズリーチ 料金(企業向け)
- AMBI 料金 – 初期・月額無料の成功報酬型
- Green 企業向け(料金プランは資料・相談)
- リクルートエージェント:紹介手数料(成功報酬)
- Indeed PLUSはクリック課金型(運用解説)
- 求人ボックス:掲載無料+有料はクリック課金
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